みなさんは食事バランスガイドをご存知ですか?
むか~し学校の家庭科で習ったと思います。
食材がポンポンと描かれた逆三角形の絵、記憶にないでしょうか?
思い出しました?
そうそうあれのこと。
細かいし実際そんなの作ってらんない献立が小難しく描いてあるやつです。
まぁそういうイメージでしょうね。
でも、このたび、食事バランスガイドをきっちり守った食生活をすると、死亡リスクが減るとはっきりした結果が発表されたのです。
食の栄養のお話はそう単純ではないため、小難しく聞こえるかもしれませんが、
体に摂取するものによる健康を考えることが、実は一番の病気予防につながるんです。
そりゃそうよね、直接体の中に入るものなんですから!!
今回は、食事バランスガイドと死亡リスク減の研究をちょこっとご紹介して、実際に食事バランスガイドの活用の仕方をお伝えします。
食事バランスガイドって?
出典:農林水産省HP
食事バランスガイドは、1日に“何を”“どれだけ”食べたら良いかを表したイラスト。
“健康で豊かな食生活の実現”を目的とした「食生活指針(平成12年3月)」を、具体的に行動にしようと、平成17年6月に農林水産省と厚生労働省により作られました。
この食事バランスガイドは「駒」をイメージした構図になっており、分類された食品を偏りなく食べることで「安定した回転=バランスのよい食事」を目指しています。
簡単にいうと、イラスト中で上からパン、サラダ、目玉焼き、牛乳とリンゴ、これで1食分の栄養バランスはOKということ。
中には2つ分必要ですよ~という食品もある点はご注意。
この食事バランスガイドをきちんと守った食事を続けることが何となく健康に良いことはおわかりいただけると思います。
しかし、2016年3月に発表された研究から、その後の死亡リスクを低くすることがはっきりとわかって話題となりました。
その研究概要がこちら。
1990年と1993年、岩手県二戸、秋田県横手、長野県佐久、沖縄県中部、東京都葛飾区、茨城県水戸、新潟県長岡、高知県中央東、長崎県上五島、沖縄県宮古、大阪府吹田の11保健所管内に住んでいた40~69歳の方を対象に、食事調査を含む生活習慣についてのアンケート調査を行いました。
5年後の1995年と1998年、2回目のアンケートと食事調査を実施。
1回目・2回目の調査の時に、循環器疾患・がん・肝疾患のいずれにもかかっていなかった男女約7万9600人を、2回目の調査時点から平均約15年追跡しました。
その結果、食事バランスガイドを遵守している人ほど総死亡のリスクが低下することがわかったのです。
参照:食事バランスガイド遵守と死亡との関連についてのコホート研究
死因別にみてみると、循環器疾患死亡、特に脳血管疾患死亡のリスクが低いことが分かりました。
このことは、諸外国の研究でも同じような結果が報告されているので、食事バランスガイドかなり優秀です。
また、食事バランスガイドの副菜と果物をよく遵守して食べている人ほど循環器疾患のリスクが低く、主菜をよく遵守して食べている人ほど、脳血管疾患による死亡リスクが低くなることも判明。
つまりまとめると、野菜・果物をたくさん食べていると循環器疾患になりにくいし、肉・魚をたくさん食べていると脳血管疾患になりにくいよということになります。
これらは国内外のほかの研究でも同じ結果が出ているので、信頼性の高い結果になったといえます。
いずれも、食事バランスガイドに従った食事は抜群に健康に良いということが証明された研究でもあります。
食生活を見直したいと考えている方は、闇雲に「野菜を食べよう」とか「青汁にチャレンジ」などど思う前に、食事バランスガイドに従ってみるのがおすすめです。
では、実際どのように活用するか、次に紹介しますね。
食事バランスガイド実践編
上述しましたが、食事バランスガイドは、イラストの分類を偏りなく食べることでコマが安定して回転するイメージです。
イメージはこんなかんじ。
出典:農林水産省HP
で、コマの上から順に「主食」、「副菜」、「主菜」、「牛乳・乳製品」、「果物」と並んでいます。
お菓子やジュースなどの嗜好飲料は、あったら嬉しい&なくても大丈夫な「コマの紐」。
水分を中心に、運動することでコマが回転する仕組みです。
なるほど、うまいこと考えましたよね!
ではそれぞれの栄養素を詳しくみていきましょう。
分類メインは五大栄養素
食品の栄養素の分類は「五大栄養素」、「三色食品群」、「六つの基礎食品」などいくつかありますが、メインは「五大栄養素」。
炭水化物、脂質、たんぱく質、無機質、ビタミンの5つを表していて、食事バランスガイドの5分類はこちらに該当します。
それぞれの分類と栄養素の関係は下記のようになっています。
出典:農林水産省HP
また、「三色食品群」、「六つの基礎食品」を取り上げると、それぞれが体に与える特徴がわかります。
「三色食品群」、「六つの基礎食品」それぞれの特徴
こちらは、「六つの基礎食品」とよばれる栄養素の働きから、「三色食品群」と呼ばれる3つの食品グループに分けたものです。
出典:農林水産省HP
肉や卵、牛乳は体をつくる土台!
スポーツ選手が体を作る過程でこれらの食品は欠かせません。
よくアスリートの奥さんが食事面で夫を支えてます!みたいな食事の基本は肉・卵・牛乳が中心です。
食事バランスガイドとはすこーし違いますが、こちらのような考え方がアスリート指導者用に作られている栄養の考えかたになります。
出典:日本スポーツ振興センター「女性アスリート指導者のためのハンドブック」
当然、こちらのメニューはアスリート用で、一般の方々が同じように栄養をとったら消化・吸収が追い付きませんのでご注意を。
では戻ります。
野菜や果物は体の調子を整える働き
これはよく知られていることですが、野菜が不足しているとなんだかだるいとか、集中力がないとか、肌が荒れているとか、、原因がわからないけど調子が悪くなってしまいます。
野菜を手軽に摂取できる青汁やサプリメントなども最近はたくさんありますが、ご注意いただきたいのが、「糖分」と「添加物」。
青汁は本来にがくてまずいもの。
それが”飲みやすく””おいしい”商品を毎日飲んでいる方、”おいしい”のはおいしいと感じるよう甘くなっていたり、味を消す何かが入っていて、いわゆるごまかしがあります。
成分表示をみて、”問題ない”ものを選ぶと良いでしょう。
問題ないものはたいてい”おいしくない”ものがほとんどです。
お米やパン・麺類は体のエネルギー源
そしてさいご、お米やパン・麺類は体のエネルギー源。
ダイエットのためにこれらを抜く女性がいるかもしれません。
でもやりすぎちゃ力が出ません。
これは言葉通り、”力が入らなくなる”のです。
ちなみに、消化が早くすぐエネルギーになるのはパン。
時間がないからゆっくり食べていられないけど、午後のプレゼンなんとか頭の回転フルでいきたい!
そんな方はパンをガシガシ食べるといいでしょう。
腹持ちはよくないものの、すぐにエネルギーになりますよ。
ではつぎに、どのくらい食べればいいの?という疑問にお答えしましょう。
5分類別、摂取の目安量
もちろん食べる方の体重や生活状況・運動状況によっても目安は左右されますが、あらかたこちらが参考になります。
1回でなく1日の目安であることにご注意ください。
出典:農林水産省HP
おわりに
どうでしょう、イメージわきましたか??
組み合わせると思いのほか食べていいんだと思いますよね。
もちろん、「運動」が伴っての食事内容のため、その日の運動量を考えて増減はご自身で判断が必要です。
実際、このメニューを毎日そろえるのは、コストもかかるし時間もかかるし大変だと思います。
私も面倒な日は「〇〇丼」とか「〇〇プレート」みたいに、1皿で完結させちゃう食べ方をしていますし。
でもあくまでも「1日の目安」なので、1日3食のうちの1食が偏っていても、ひとまずOKとして、残りの2食で調整してみるといいですよね。
疾患のリスクを下げる、死亡のリスクを下げる、簡単に言うけど、まあ簡単に成しえるものじゃないですよ!
でも、裏を返すと、毎日ちょっとずつがんばるだけでいいんだということ。
これを機に食事バランスガイドを見て1日のごはんを組み立ててみてはいかがでしょうか。
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