歳を重ねるごとに気になる自分の健康。
以前は何も気にすることのなかった日焼け、
夜通し飲んだり食ったりしてもへっちゃら、
急げ!ですぐに走り出せる身軽な身体、
そんなことができた頃もあったと思いますが、20代後半ごろから感じ始める体の変化。
悪習慣に気をつけるようになっても、慣れない食事管理や運動習慣は逆にストレスにつながりかねませんよね。
忙しいあなた、三日坊主の常習犯ではありませんか?
でも、ちょっと工夫するだけで三日坊主なんてさようならできるってしってましたか?
そのためにご紹介するのは行動科学の考え方。
ここではそんな行動科学の考え方と三日坊主にならないためのポイントを紹介していきます。
行動科学とは
行動科学とは、人の普段の行動を分析して、どんな意味があるのか、法則はあるのかなどを科学的に解き明かす学問です。
メンタリストで有名なDaiGoさんが得意とする心理学や、メディアでよくコメントをする上野千鶴子さんの社会学なんかも行動科学の中の1つ。
ちなみに、近年注目されているのが「行動科学マネジメント」。
企業組織の中で部下を成長させるコツや、成果の出る行動などなどの考え方です。
ダイヤモンド・オンラインに書籍などが紹介されているので、ご興味ある方は少し読んでみてください。
知識が広がりますよー。
さてではさっそく行動科学の考え方による三日坊主をなくすポイントをご紹介しましょう。
三日坊主をなくすのための簡単なポイント
昨日から炭水化物を減らしてみた、思い切って禁煙にチャレンジ、エスカレーターを使わず階段で、ジムの定期契約をした…
こんなかんじで目標を達成するために普段しない行動を増やすことを、行動科学では「シェイピング」と呼びます。
シェイピングができたあなたは、この習慣を継続させるために具体的に次のポイントを意識しましょう。
- カレンダーを使って継続の可視化
- 目標のハードルを下げて、小さな成果を積み重ねる
- 「わざわざ」ではなく「ついでに」で、片手間にできる習慣づけ
- 「楽に楽しく」、できたら徐々に回数を増やす
- 使うものは目につくところに置く
- 友人や家族に目標宣言をして常に継続を意識する
- 達成できたらごぼうび、さぼったら罰を決める
- 目標・ごほうび・罰を書いた行動契約書を目につくところに置く
健康を意識している方なら、きっとそれぞれの意図はご理解いただけるはず。
では、これらを意識してダイエット・禁煙の行動を改める例を考えてみましょう。
行動しやすくすること意識した環境設定
新しいチャレンジをするときは、これまでの生活にやることが増えるということです。
つまりどうしても「わざわざ」になってしまいます。
そんな「わざわざ」な行動をいかに「行動しやすくするか」がポイント。
そのためのステップが、行動科学でいうところの「チェーニング」。
複雑な行動を単純に分解する作業のことを指しますが、この作業によって、意識するポイントを簡単にしてみましょう。
行動を増やしたいときはハードルを下げる
「行動を増やしたい」とは、普段の生活に習慣をプラスしたい場合。
ダイエットのために運動する時間を増やしたい、いつもの食事に健康サプリを加える・野菜ジュースをプラス、ジムに通うというときは、まずはハードルを下げて達成しやすくすることが大事です。
ダイエットの場合、ふつうの目標設定だったら、
”ジムに通う”
たった1択ですが、チェーニングして行動を分解してみると、小さい目標設定がたくさんできますよ。
私が実際にジムに通ったときに実践していた方法をご紹介。
- まずウエアを探す(モチベーションUPのため可愛いウエアをチョイス)
- ジムの荷物を準備する(すぐに持っていけるように荷詰め)
- ジムのマシンで聞く音楽をリストアップ
- ジムに通うために眠っていた自転車を整備
- ジムの最寄り駅までの定期を買う
- お気に入りのトレーナーさんを見つける
- プログラム参加で友達を作る
- お気に入りの時間帯を決める(常連さんの雰囲気から好きな時間帯を決める)
だいたいこんな感じで、できたらいちいち旦那に報告していました笑
しかも、ジムに行くのは週○日絶対!と決めずに、週2回行ったらエライ!とか甘く考えるようにしていました。
1回の時間も15分軽くマシンで走って、5分くらいフロアを眺めながらマットでストレッチして、ジャグジーでゆっくりするといった感じで、無理のないゆる~いかんじ。
ちなみに疲れている日はお風呂とジャグジーのみの利用。
結局ジム通いは、仕事の都合で引っ越しする直前まで楽しく続けることができ、約半年お世話になりました。
成果は、半年で3キロ減ほど達成して、たるっとした顔がシュッと引き締まりました。
ジムの成果もそうですが、ジムに通うことで「(ジムに通ってるんだから)遅い時間のお菓子はやめよう」とか「(ジムに通ってるんだから)これまでより野菜生活してみよう」とかいう二次的な成果も大きいと思いました。
行動を減らしたいときはハードルを上げる
さてでは、禁煙したいときなど、普段の生活から「行動を減らしたい」ときはどうすればいいでしょうか。
こちらは逆にハードルを上げて「行動しにくくする」ことがポイント。
やめられない行動は、大抵「とても行動しやすい環境」になっていることがほとんど。
タバコを吸う人は、喫煙するために普段から喫煙できる場所にアンテナを張っていたり、すぐに吸えるように予備のタバコをばっちり完備していたり、携帯灰皿を持ち歩いたりしていますよね。
これらの行動はどれも「喫煙しやすい環境」を作りあげているのです。
では、禁煙したい場合は、具体的にどんなハードルの上げ方があるでしょうか。
こちらは実際に禁煙をしていた友人が実践していた方法です。
- 喫煙所から離れる・見えないところに行く
- 全席禁煙のお店をチョイス
- 携帯灰皿を持ち歩かない
- 灰皿を持ち歩かないことに慣れたら、灰皿自体を捨てる
- 予備のタバコを持たない
- 予備がないことに慣れたら、自分のタバコも持たない
- タバコを吸う人と一緒にいないようにする
- 出勤前の喫煙ができないよう、始業時間のギリギリに出勤
- タバコの匂いがしないようマスクをする
ほかにもハードルの上げ方はあると思いますが、こんな感じで、タバコを吸うには手間がかかる環境を作りましょう。
私はタバコを吸った経験がないのでわかりませんが、友人はその方法で、大してストレスと溜めずに禁煙に成功したようです。
友人は、久々に会ったときの顔色が良かったこと、喫煙者特有の「ニオイ」が消えて清潔感が出たこと、これが印象的でした。
体調が悪いときは変な咳も出ていた友人ですが、それもなくなったとのこと。
禁煙を考えている方は、ぜひ実践してみてくださいね。
まとめ
このように、「継続」するための考え方は「”シェイピング”と”チェーニング”で無理なく楽に」が一番です。
ハードルの上げ下げ理論もご理解いただけましたでしょうか。
新しい行動を増やすということは、いつもの行動の時間を割いて新しいことをしているため、例えば、ジムに通ったら「夕飯はどうしよう」とか「何時に寝られるかな」とか、新しく考えることが出てきます。
夕飯を考えることは、食事時間の改善や食事内容にも意識が向いたりすることもありますし、何時に寝られるかを考えることは、睡眠時間を意識したり、例えば23時に寝るためにはこの電車に乗って、家に帰ったら片付けをして…といった生活を組み立てることにも意識が向くようになります。
新しい行動により、また新しいことに意識が向き、その行動で新たな気づきが生まれ、少しずつ生活の改善にもつながります。
「継続は力なり」とはよく言ったもので、「継続」するための工夫をぜひご検討してみてはいかがでしょうか。
参考:
- ダイヤモンド・オンライン
- 厚生労働省:たばこに関する目標設定の考え方について
- NHK「生活ほっとモーニング」(2010年1月放送):石田淳さんによる「行動科学で3日坊主克服法」
- ファイザー「すぐ禁煙.jp」
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