スイーツを食べることは栄養的に悪い?選ぶ際に注意すべきポイント

スイーツは、好きな人にとっては控えるように言われてもなかなか難しいですよね。

選ぶ楽しみや見た目の華やかさがあり、食べればただ甘いだけではない味わいの奥深さ、口触りの良さなど魅力を挙げればキリがありません。

ついつい食べ過ぎれば、体重が増えたり、健康診断の結果におびえたりすることになり、なんとか自制を試みようとしたこともあるのではないでしょうか。

でも、スイーツを食べることは決して悪いことばかりではありません。 気をつけて選ぶポイントさえわかれば大丈夫! 解説していきたいと思います。

スイーツ選びのポイントその1:糖質問題

甘さを感じる場合、たいてい糖質は含まれています。この糖質は何が問題となるのかというと、

  1. 糖質には1グラムあたり約4キロカロリーのエネルギーがある。
  2. 血糖値が上がりやすい。

という2点が挙げられるでしょう。

糖質には1グラムあたり約4キロカロリーのエネルギーがある。

つまり、食べれば食べるほどエネルギーはかさみやすいので、「スイーツを食べると太りやすい」という考え方は、やはり誤りとは言えません。

血糖値が上がりやすい。

血糖値とは、血液中にあるブドウ糖の濃度のことですよね。 ブドウ糖とは糖質のなかで最小単位である「単糖類」の一種。

糖質には吸収が早いものと緩やかなものがありますが、スイーツに多く含まれる砂糖は吸収が早いタイプの糖質

素早くブドウ糖にまで分解されて吸収されますから、血液中にブドウ糖が存在しやすい=血糖値が上がりやすい、と言えます

さてこの2点は、スイーツの欠点なのでしょうか。

「太りやすい」「血糖値が上がりやすい」という見方をすれば欠点にも思えますが、「素早く栄養を満たすことができる」と考えることもできます。

疲れているときに甘いものを欲するには当たり前のことで、身体が欲しているサインなのです。

ただし血糖値があがりやすい」という点には注意も必要

血糖値が急に上がれば、身体はできるだけ早く元の状態に戻ろうとします。

これにより血糖値が下がってふたたび「何か食べなくては」と思ってしまう状態になりやすいということ。

「チョコレートを食べ始めたら、止まらない」という感覚は意思が弱いから起こるものではないということです。

この繰り返しはどうしても食べ過ぎを生み出しやすいので、血糖値の上がり方を意識することは大切です。

【解決方法】血糖値の上がり方を意識しながらスイーツを選ぶ

血糖値の上がりにくさを考える時に、コツとなることは2つあります。

  1. 食物繊維の多いものと一緒に摂取する
  2. 消化されにくい糖が使われているものを選ぶ

食物繊維の多いものと一緒に摂取する

食物繊維が多いものを糖質より先に摂取すると、血糖値は上がりにくくなります。

たとえば「食べる順番」でも、ご飯などの主食を食べる前に、サラダなどのように野菜料理を食べることで血糖値が上がりにくいと言われており、糖尿病の患者さんに勧められたリ、ダイエットに活用されたりしています。

スイーツの場合にも、少しでもこの考え方を応用しようと思ったら、

  • 寒天やカラギーナンなどの凝固剤を使ったスイーツをチョイスする
  • 果物が多いものを選ぶ
  • 飲み物にココアを合わせる

といった方法があります。

カラギーナンは「アガー」という名で出回っていることも多い凝固剤です。

寒天やカラギーナンは海藻を原料としているため、水溶性食物繊維が含まれています。

特にカラギーナンは寒天に比べてゼラチンに似たやわらかい食感を楽しむことができることや冷凍もできるので最近多くの食品に使われています。

同じく水溶性食物繊維である「ペクチン」を含んでいるのが、果物。

果物には「果糖」も含まれますが、ブドウ糖に比べれば血糖値の上昇は緩やか。

甘いとは言え、スイーツと比較すればエネルギーは抑えられますし、甘さを楽しめる満足感も得られることから、果物たっぷりのスイーツを選ぶというのも良いでしょう。

飲み物はコーヒーや紅茶を合わせることが多いのですが、食物繊維という観点ではココアがオススメ。ただしここに甘さを加えては意味がありませんので、ピュアココアにしましょう。

消化されにくい糖が使われているものを選ぶ

砂糖ではなく、オリゴ糖類を使っているものは血糖値の上昇が緩やか。 腸内細菌のエサにもなるので、便通を整える働きが期待できます。

また最近「希少糖」も、よく目にするようになりましたね。

希少糖は、自然界では存在量が少ない糖なので名前にも「希少」とついています。

甘さは砂糖より少し弱いのですが、食後血糖値の上昇抑制や動脈硬化抑制といった生理機能がわかってきており、糖尿病や肥満、メタボリックシンドロームへの予防に役立つのではないかと期待されています。

スイーツ選びのポイントその2:脂質問題

スイーツで気になるのが、やはりエネルギーの高さ。 糖とともにエネルギーを押し上げる原因となっているのが、脂質です。

脂質には1グラムあたり約9キロカロリーのエネルギーがありますから、かなり効率よくエネルギーを押し上げてしまうのです。

バターや生クリームが多く使用されている場合には脂質の含有量も多くなります。

コクやクリーミーさ、香り高さといったスイーツのおいしさを担っている側面もあるため難しいところですが、常に脂質の多いスイーツを召し上がる習慣では、やはり身体が心配。

スイーツ選びで気をつけるポイントは、

  • 洋菓子ばかりではなく、和菓子にも目を向けてみる
  • 揚げ菓子、焼き菓子にも注意

といったことが挙げられます。

「日本食品標準成分表」を見ると、いろいろな菓子類の数値を確認することができます。

食品名 エネルギー(kcal) たんぱく質(g) 脂質(g) 炭水化物(g) 食物繊維総量(g)
【和菓子】みたらし団子 197 3.1 0.4 45.2 0.3
【和菓子】大福もち 235 4.8 0.5 52.8 2.5
【和菓子】どら焼 284 6.6 2.5 58.7 3.1
【和菓子】水ようかん 171 2.6 0.1 40.0 2.2
【洋菓子】シュークリーム 228 6.0 11.3 25.6 0.3
【洋菓子】ショートケーキ 果実なし   327 7.1 13.8 43.6 0.6
【洋菓子】バターケーキ  443 5.8 25.4 47.9 0.7
【洋菓子】カスタードプリン   126 5.5 5.0 14.7
【洋菓子】牛乳寒天 65 1.1 1.3 12.2 0.5
【洋菓子】ゼリー オレンジ  89 2.1 0.1 19.8 0.2

出典:日本食品標準成分表2015年版(七訂)

ざっくりと【和菓子】【洋菓子】を比較すると、やはりエネルギーが高めのものは洋菓子に多いことがわかりま

す。 たとえば、「バターケーキ」。やはり脂質の含有量が多く、エネルギーも高くなります。

和菓子と言っても、どら焼のように生地を使うようなものよりも水ようかんなどが良いですね。

一方洋菓子でも、ゼリー類になるとややエネルギーが下がり、牛乳寒天のようにエネルギーの低いものもあることがわかります。

【解決方法】油の「質」に注目する

脂質の摂取で気になることには、「飽和脂肪酸の過剰摂取」も挙げられます。

飽和脂肪酸とは魚を除く動物性食品に多い脂肪酸のことで、常温では固体の脂に多く含まれています。

バターやラードなどがイメージしやすいのではないでしょうか。

飽和脂肪酸の過剰摂取は血中脂質のバランスを崩しやすく、コレステロール値が高くなりがちです。

そこで油脂を多く含む洋菓子のなかでもバターではない油を使っているものを選択するという手も。 たとえば、「シフォンケーキ」。

きめ細やかなやわらかい食感で、お好きな方も多いのではないでしょうか。

シフォンケーキは生地を焼き上げるケーキにしては珍しく、通常植物油を使って作られます。

生地のおいしさを味わうケーキですから、クリームをつけすぎずに楽しみましょう。

せっかく油脂の「質」に配慮したのに、飽和脂肪酸の多い生クリームをたっぷりつけたのでは、意味がありませんよね。

このほか、今はオリーブオイルや菜種油など、油にこだわって作られたスイーツも増えてきました。

植物油の多くは常温で液体ですから、瓶に入れて売られていますよね。

つまり常温で固体になる飽和脂肪酸の含有量は少ないと言えます。

脂質を摂ることを全く回避することはできませんので、「質」に着目して選ぶようにしましょう

罪悪感をなくすために必要な栄養素をスイーツから摂取する

糖質も脂質も多く、エネルギーの摂取につながってしまうとなれば、やはりスイーツを食べることをあきらめた方が良いのではないか、と思っていませんか?

スイーツを食べるうえで一番良くないことは、その「罪悪感」です!

自分へのご褒美、ちょっとしたほっこりする時間が味わえるなど、スイーツを食べるメリットは「リラックス効果」です。

でもそれだけでは単なる「自分に甘い人」みたいで気が引けてしまいますよね。

スイーツを食べることを罪悪感ではなくする方法は、自分に必要な栄養素をスイーツから摂取していると意識することです。

そのためには、目的にあったスイーツを選ぶ目を養う必要があります。

食物繊維を含む食品

  • 不足しがちな食物繊維を摂取する→いつもはこし餡派だけれど、今日はつぶ餡にしてみる

あずきは食物繊維を含む食品です。餡を多く使う和菓子では、洋菓子よりも食物繊維が取りやすい傾向にあります。

食物繊維をしっかり摂ろうと意識するのであれば、皮を取り除いてしまうこし餡よりもつぶ餡を選ぶことで、さらに強化されます。

果物を含む食品

  • 果物不足を補おうと思って… →フルーツタルトをチョイス

果物は1日200グラムを目安に食べたいとされています。でも多くの人は足りていないのが実情。

なかなかご自身で果物を購入する機会のない方は、ぜひスイーツを果物摂取の機会にしていただきたいと思います。

果物も、ドライフルーツやコンポートも良いですが、生のものもしっかり味わいましょう。 フルーツたっぷりのフルーツタルトで補給というのも、ときには良いものです。

乳酸菌やカルシウムを含む食品

  • カルシウムが足りていない→ヨーグルトを食後に加えてみる

ヨーグルトは乳酸菌の摂取もできる優れた食品。デザート系のヨーグルトも乳業メーカー各社からたくさん発売されていますよね。

食後にちょっと甘いものを食べたいときにヨーグルトを食べることで、スイーツから摂取するエネルギーは比較的抑えられるうえ、カルシウムの摂取が強化されます。

カルシウムといえば牛乳ですが、デザートドリンクの飲みすぎはエネルギーが心配。 飲むとたくさん摂れてしまうので、摂りすぎも心配です。

スイーツ的な食品

  • どう考えてもスイーツ食べ過ぎ→サンドイッチをフルーツサンドに変えて、間食はガマン

食事の一部に「スイーツ的なもの」を導入することで、スイーツ欲を鎮めるという方法もあります。

フルーツサンドイッチを食事メニューとして導入することで罪悪感は少し軽減。

加えて甘いため食事の最後の方で食べるようになりがちです。 それまでに食物繊維をしっかり摂取して、血糖値の急上昇を抑えましょう。

まとめ

スイーツをおいしく食べるためには、罪悪感を払拭することが大切です。 でもそこに明確な理由がないと、なかなかそうもいかないですよね。

そのためにはまず、「気をつけた方が良いもの」を知ります。そうするとそれらを避けるようにすれば良いのです。

スイーツ全般がいけないものではない、ということですね。

さらにもう1ステップ。「良いところを知る」ということです。どうしてこのスイーツを選ぶのか、自分にちゃんと説明できる理由ができます。

スイーツは栄養豊富。栄養豊富な側面は「摂り過ぎ」ばかりが強調されますが、「効率よく摂取できる」という点にも、もう少し重点を置いてみましょう。

スイーツを食べる明確な理由を見つけることができますよ。

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